会社設立

    ≪タイにおける会社の種類≫

    タイの商事会社は4種類に分かれる。

    1)登記済み普通パートナーシップ(Registered Ordinary Partnership)
    社員はすべて有限責任。
    2)有限パートナーシップ(Limited Partnership)
    無限責任社員と有限責任社員で構成される。
    3)非公開株式会社(Company Limited)
    株主はすべて有限責任で、株式の公開発行はできない。
    4)公開株式会社(Public Company Limited)
    株主はすべて有限責任、株式は一般市民に向けてタイ国証券市場を通じて公募される。

    この中で最も多いのが3の非公開株式会社で、外資系の進出企業は日系企業も含め、ほとんどがこの形態である。

    ≪非公開株式会社の特徴≫

    非公開株式会社は以下のような特徴を兼ね備えている。

    • 株式の公開募集はできない
    • 株式は分割で払い込む(初回25%、その後は取締役会の要請に応じて随時)
    • 取締役は独立して業務執行に当たるが、株主の連帯責任
    • タイの商法の規定上、監査役はない
    • 取締役は最低1名
    • 日本の株式会社のように会社のすべてを代表する代表取締役の明確な規定はないが、会社の重要事項を拘束する署名権者がいる
    • 株主総会の議決は株主1名に対して、1票が原則
    • 社債は発行できない
    • 減資する場合は登録資本金を元の4分の1以下にすることはできない

    ≪外国人資本による非公開株式会社の留意事項≫

    外国人事業法の規定により、外国企業(株式数の過半数を外国人または外国企業が占める会社)は、1)特別の理由により外国人が従事できない事業(9業種)、2)国家の安全、文化的な影響、伝統、民芸品、自然環境に関する産業のため従事できない事業(13業種・閣議承認を得て、商務大臣の許可が必要)、3)外国人に対してタイ人が充分な競争力を有していない産業のため従事できない業種(21業種・外国人事業委員会承認を得て、商業省商業登記局長の許可が必要)というように、タイで従事できる業種が限定されている。

    同じく、外国人事業法では、外国人がタイの地で就労するための労働許可証の取得には、原則として最低200万バーツ以上の資本金が必要となる。しかし、最低投資額として業種ごとに省令で金額が定められており、規制業種に該当しない場合は最低 200万バーツ、規制業種に該当する場合は最低300万バーツを投資しなければならない。