アジアの"いま"

鈴木 博
2020/04/15 13:04
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 4月7日、フン・セン首相は、4月13日~16日に予定されていたクメール正月の休日を延期とすると発表し、労働職業訓練省から通知が発出されました。延期された休日については、新型肺炎が終息した後、適切な時期に5日間の代休を設定するとしています。最高仏教会も全てのクメール正月行事を中止するとしています。更に、4月9日、カンボジア政府は、4月9日24時(10日0時)から4月16日24時(17日0時)まで、プノンペン都と他州間の移動、州内の市、郡等の行政区画内の移動を禁止(一部例外条件あり)する政府命令を発出しました。

 クメール正月は、通常ですと多くの地方出身者がプノンペン等からそれぞれの田舎に戻り、親族全てが揃って新年を迎え、お寺参りをするのが慣例です。このため、多数の人が、バス等にぎゅうぎゅう詰めで移動したり、多くの人がお寺に集まったり、様々な正月イベントに多数が押しかけたりすることとなるため、コロナウィルスの感染拡大が懸念されていました。直前の決定でもあり、全ての企業が通常通りというわけにはいかないものの、地方への帰郷や、お寺参り、イベントへの参加等をかなりの割合で止めることができるものと見られ、ウイルス拡散防止効果が期待されます。

 今回の決定は、全くの想定外で、柔軟なアイデアと果敢な実行力に脱帽です。一部で混乱を招く可能性はあるものの、多額の予算を使うこともなく、ウイルス拡散に繋がりかねない移動・集会の増加をある程度抑えることができるのではないかと見られます。カンボジアでの官民挙げての新型肺炎対策の継続が期待されます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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