桜満開の日本は春真っ盛り。一方カンボジアと言うと毎日日中40℃前後まで気温が上がっていると言う信じられない暑さ。こう暑いと飲食店を営んでいるものとして、心配なことの一つが「ニオイ」である。人が「美味しい」と感じるには、味だけではなく、その他の感覚「五感」を意識的に使って判断するとのこと。つまり、五感の一つである「ニオイ」は大変重要なのだ。美味しいニオイであれば良いのだが、その反対は絶対にNG。飲食店は特にトイレからニオイを発っせさせてはならないのだ。「飲食店のサービスレベルを判断するのであればトイレをチェックしろ」と言われるぐらいトイレの清掃は重要だ。
多少強引に話をつなげたが、今回はトイレの話。最近のプノンペンのトイレは欧米人の文化も根付き基本的には洋式のトイレが普及している。もちろん郊外などに行けば、日本の和式スタイル風のトイレがある。しかしながら、和式スタイルのトイレに水洗レバーがない。見ればトイレの横にはゴミバケツのような入れ物に水が入っている。桶で水をすくって流すというワケだ。
「排水スタイルはわかった。トイレットペーパーはどうなの?」と心配になる人もいると思う。実は先進国より先駆けて、東南アジアの不思議の一つとして、マニュアルウォシュレットが普及している。簡単に言えば、口元が小さいシャワーなのだが、これが便器の横からのびている。用を足した後に使う。しかしこれが我々先進国の人間には使うのが難しい。使った後は便器も床もビショビショになってしまう。ビショビショになってしまったが、確かに陰部は綺麗になった。水を拭きたい。トイレットペーパーは?と探せばないことが多い。驚きなのだが、中間層以下のカンボジア人はあまりトイレットペーパーを使わないらしい。ビショビショのままパンツ・ズボンを履いてトイレを出ていく。聞けば「すぐ乾くから問題ない」とのこと。確かにこの暑さだから乾くのは分かるけど…。どうなの?と首を傾げたくなる。
とは言え、旅行者などが使用する場所ではトイレットペーパーは普及しているのでご安心を。しかしこれまた中間層以下のカンボジア人が使うトイレでは拭いた後のペーパーを水に流さずに、使用済みペーパーが近くの屑籠などに入っていたりする。以前の水圧の弱いトイレの意識がまだ抜けないようだ。
当店Cross Town Cafe(クロスタウンカフェ)は首都プノンペンの富裕層エリア「ボンケンコン」にある。もっぱら客層は外国人が多いが、最近はチラホラ、カンボジア人中間層も入店して下さる。そして、先日恐れていたことが起きた。スタッフから「使用済みのペーパーが屑籠に入っている」と…。ニオイに敏感な当店としては、すぐ様、物を外に出して事なきを得たが、今後は「使用済みペーパーを屑籠に捨てないで下さい」とチラシを張る予定だ。