アジアの"いま"

鈴木 博
2018/08/01 14:09
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 大手不動産業者のCBREの2018年第2四半期(4月~6月)報告によりますと、カンボジア・プノンペンの不動産市況は概ね横ばいながら、住宅賃料は値下がり傾向が続いているとしています。コンドミニアム市場は、大量供給が続いています。第2四半期だけでも2000戸が新規に供給され、総戸数は1万1830戸に達し、対前年同期比で20%増となりました。総戸数は、2017年度末の8600戸から2018年度末には2万戸を超えてくるものと見られます。更に、第2四半期中に5件の新規事業(合計戸数2256戸)が発表されています。
 この状況下でコンドミニアムの価格は、中・低価格帯では横ばい、高価格帯では2%上昇となっています。高価格帯は全四半期が2%下落であったため、2018年では横ばいとなっています。他方、賃料は下落が目立ち始め、中価格帯で対前期比12%下落の11ドル/平方メートル、高価格帯では5%下落の14.25ドル/平方メートル程度となっています。
 オフィス用不動産については、供給の一段落もあって、空室率は前期の17.3%から12.3%に減少しています。このため、オフィス賃料は、グレードAは横ばい、グレードBは6%上昇、グレードCは3.4%上昇となっています。しかし、オフィスビルとして現在16事業が工事中で、2021年までには20万平方メートルが追加供給される見込みとなっており、こちらも大量供給が懸念されています。
 カンボジアの不動産価格については、これまで、中国・韓国等の投資もあって、下げ渋っていましたが、過剰供給が進む中で価格下落についての懸念が強まりつつあります。賃料の値下がりが目立ち始めており、一層の留意が必要と見られます。

CBREの発表
http://www.cbre.com.kh/2018/07/cambodia-phnom-penh-marketview-q2-2018/

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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