アジアの"いま"

鈴木 博
2018/05/30 10:36
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 カンボジアとタイを結ぶ主要国境であるポイペトは、活況を示しています。この国境を通じた貿易は増加傾向にあり、国境は、トラックの列で渋滞していました。また、バイクで引っ張るリヤカーや、人力の台車による小規模な越境貨物輸送も多数見られました。タイの支援を受けて、現在の国境から約5キロのところに貨物専用の国境チェックポイントを建設中で、2019年の完成を目指しています。
 ポイペトの郊外には、日系のサンコー経済特区、PPSEZポイペト経済特区が完成し、日系企業の誘致を進めています。サンコー経済特区内には、豊田通商が展開するテクノパークもあり、タイに進出している日系企業の誘致が進められています。また、経済特区外ですが、日本電産の子会社も工場を稼働させています。PPSEZポイペト経済特区には、第1号案件として、日系のスミトロニクスの進出が決まり、工場の建設が始まっています。国境を越えただけで、人件費が3分の一になるのは、大きな魅力と見られます。ポイペトの街には、日系企業の進出増に伴って、日系の食堂や居酒屋もできてきています。
 他方、カンボジアから国境を越えてタイに出稼ぎに行く動きも活発です。「ワンデーパス」で、カンボジアから毎日国境を越えてタイ側の工場等に通勤する労働者も多いということです。労働者の立場では、タイに出稼ぎに行くのは大きなリスクもあるものの、給料は多く、働き口にも苦労しないという点に惹かれるものと見られます。
 なお、ポイペトは、カジノの街としても有名で、タイの観光客を集めています。カジノの賭け金は、タイバーツ建てとなっています。
 このカジノ街の真ん中を突っ切る形で、カンボジアとタイを結ぶ鉄道があり、線路だけは完成しています。今後両国を結ぶ列車が運行することが期待されます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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