アジアの"いま"

鈴木 博
2019/02/20 15:32
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 カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)によりますと、カンボジアでもフィンテックが浸透し始めています。カンボジアでは、電子支払、送金、インターネットバンキング等が、インターネットの全土普及に加えて、スマートフォンの浸透と共に広がり始めているとしています。2018年には、インターネットバンキングを提供する金融機関は24機関、スマートフォン等を利用するモバイルバンキングを適用する金融機関は19機関となっています。インターネットバンキングでの取引は80万件で総額38億ドル(約4180億円)、モバイルバンキングの取引は1230万件、総額57億ドル(約6270億円)に達したとのことです。

 数年前までは、地方からプノンペンに出稼ぎにきた労働者が田舎の両親に送金するためには、タクシーやバスの運転手に現金を渡してお願いするといった方法しかありませんでした。しかし、現在では、携帯電話を使った送金システムのWing等により、簡単・安全・低コストで送金が可能となっています。また、都市部を中心として、スマートフォンによる電子支払のPaypay等が浸透し始めています。インターネットバンキングによる銀行振込を、会計業務に活用する会社も出てきています。街中では、QRコードによる支払いも見かけるようになりました。

 こうしたフィンテックの浸透は、取引コストの削減や効率化に繋がる一方で、マネーロンダリングといったサイバー犯罪に利用されるリスクもあります。このため、中央銀行やフィンテック協会では、そうしたリスクを最小化するための政策立案に取り組んでいるとしています。また、今後は、AIやビッグデータ、ブロックチェーン等を活用した高度なフィンテックの開発・活用も課題となります。併せて、こうしたフィンテックの一般利用者の金融知識の向上に向けた取り組みも重要なものとなるものと見られます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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