アジアの"いま"

鈴木 博
2020/06/24 07:41
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 カンボジアのフン・セン首相は、2021年~2023年の予算策定方針に関連して、2020年の経済成長率を政府としてはマイナス1.9%と見込んでいると述べています。新型コロナの影響で、輸出先国の需要が大幅に落ち込んでいることを理由としています。カンボジア経済は、縫製品・履物の輸出、観光、建設・不動産、農業の4つのエンジンに依存しています。この中でも、新型コロナの影響で、輸出と観光がまず大きな打撃を受けています。なお、首相は、2021年の成長率は、世界経済が徐々に回復することに伴い、輸出品の需要が回復するため、3.1%にバウンスバックするとしています。

 国際機関も、カンボジアの今年の成長率がマイナスに落ち込むとの予測を出しています。国際通貨基金(IMF)は、2020年マイナス1.6%、2021年6.1%としています。世界銀行は、通常シナリオで、2020年マイナス1.0%、2021年6.0%、悲観シナリオでは、2020年マイナス2.9%、2021年3.9%と予測しています。格付け機関のムーディーズは、2020年マイナス0.3%、2021年6.0%としています。

 カンボジアでは、まず、観光業は大きな影響を受けており、4月以降外国人観光客がほぼいない状況が続いている上、その回復の見込みも立たない状況です。また、縫製品等の製造も、既に発注が激減し、多くの工場が操業を停止し、13万人の労働者が失業・一時帰休の状況にあります。この厳しい時期を乗り越えて、来年の景気回復に繋がっていくことを期待したいところです。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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