アジアの"いま"

鈴木 博
2014/03/18 10:59
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カンボジアの米価が、タイの米買取政策の影響を受けて弱含んでいます。2013年12月末には950ドル/トンだったカンボジアジャスミンライスの価格は、2014年2月末には885ドル/トンへと7%下落しています。

 

タイでは、インラック政権がコメを高価で買い取る政策を開始しましたが、すぐに過剰在庫を抱えるようになり、現在では1500万トンから1800万トン程度の在庫を抱えると言われています。タイ政府では、この在庫を1月から3月にかけて毎月最低でも100万トン程度放出しているとのことです。この影響を受けて、タイのホンマリライスの価格は、2013年末の1163ドル/トンから現在の955ドル/トンへと17%も下落しています。

 

コメの大手輸出国であるタイのマーケットの状況は、カンボジアにも波及しており、米価は当面弱含むものと見られています。ただ、消費者米価への影響はまだ未知数と言えます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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