アジアの"いま"

鈴木 博
2023/06/07 10:13
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カンボジア・シェムリアップ上水道完成式典 日本の円借款で

 5月22日、シェムリアップ州において日本の政府開発援助の支援により建設されたシェムリアップ浄水場及びコンポントム浄水場建設事業の合同完成式典が開催されました。式典にはカンボジア政府から、ティア・バニュ副首相兼国防大臣やチャム・プラシット上級大臣兼工業科学技術革新大臣、植野篤志日本大使等が出席しました。

 今回の事業により、シェムリアップでは、新たに毎日約6万立方メートル/日、コンポントムでは7500立方メートル/日を浄水することが可能となります。「シェムリアップ上水道拡張事業」については、日本政府は、2012年から円借款(71億6100万円)を供与して支援してきました。また、2021年10月には、円借款「シェムリアップ上水道拡張事業(第二期)」(供与限度額63億3600万円)を供与して、更なる上水道拡充を現在も支援中です。

 カンボジア政府では、上水道の普及拡大を目指しており、都市部については2023年に普及率90%、2025年に100%を目指すとしています。これまでも上水道の普及に力を入れており、上水道が普及している世帯数は、2018年の78万世帯から120万世帯に53.8%増加しています。上水供給量も、2018年の3億900万立方メートル/日から4億立方メートル/日に増加しています。カンボジアの上水道については、日本政府や北九州市が長年にわたり協力してきています。今後も、こうした協力を活かしつつ、カンボジア政府が上水道の普及向上に向けた努力を続けていくことが期待されます。

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鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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