アジアの"いま"

鈴木 博
2018/03/14 18:55
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 2月25日、カンボジア上院議会選挙の投票が行われました。定数62議席のうち、下院議員123人、地方評議会議員1万1572人による間接選挙でえらばれる58議席は、全て与党であるカンボジア人民党が確保しました。残る4議席のうち、2議席は国王の指名、2議席は下院議員が選ぶこととなっています。国王指名については、シハモニ国王は2月19日に、異母妹のアルンレアスマイ氏(前フンシンペック党党首)とオム・ソマニン氏という王族2名を上院議員に任命しています。今後、国民議会(下院)が選出する2名については、「複数政党制」を名乗るためにも、フンシンペック党など人民党以外の政党に議席を与える可能性が高いと言われます。
 上院選の公平性については、批判の声も上がっています。カンボジア最高裁判所は2017年11月、救国党に解党命令を出しており、解党された救国党が持つ議席が、改正選挙法によって、他の政党に振り分けられていました。この議席再配分により、救国党が下院に持つ55 議席と、地方選で獲得していた5007議席が他の政党に配分され、人民党の地方評議会での議席は全体の95%に達していました。
 旧救国党や欧米は、フン・セン政権への批判を強めており、今年7月に予定される総選挙に向けて、その動向を注視する必要があります。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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