アジアの"いま"

鈴木 博
2019/05/29 18:27
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 5月8日、カンボジア電気通信監督機構(TRC)は、カンボジアの大手携帯会社であるスマート、セルカード、メットフォンの3社が、2019年内にも5Gの試験的運用を開始する見込みであると公表しました。マレーシア系のスマート社は、既にTRCに対して5Gの試験的ネットワークの申請を提出済であるとしています。他の2社も年内の試験運用開始を目指す意図を表明しているとのことです。試験運用の期間は、6カ月程度となる見込みです。

 試験的とは言え5Gが運用されることになれば、カンボジアはASEAN諸国の中でも最も早く5Gを導入する国となります。途上国では、先進国が一歩一歩進めてきた技術革新を一気に追いつく「技術ジャンプ(蛙飛び)」という現象がみられることがありますが、カンボジアの通信セクターはまさにその好例と言えます。

 カンボジア政府は、4月末の中国での一帯一路会議の際に、ファーウェイと5G技術開発に関する覚書を結んでいます。中国のファーウェイについては、中国のスパイ行為やサイバー攻撃に関与しているとの疑いが強まり、米国政府はファーウェイ製の機器の排除を決め、ファーウエィ向けのハイテク部品の輸出禁止やファーウエィ製品の輸入禁止を打ち出しています。こうした中で、カンボジアがいち早くファーウェイの採用に前向きの姿勢を示したことは注目され、今後も引き続き慎重に状況を注視していく必要があるものと見られます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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