アジアの"いま"

鈴木 博
2019/09/25 15:01
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 8月18日に、オンラインギャンブルライセンスの更新を行わないとするカンボジア政府の規制が発表されたことを受けて、シアヌークビル等から多くの中国人が出国していると報道されています。シアヌークビルでは、オンラインギャンブルとこれに付随する合法・違法なビジネスが中国人社会を支えていると言われますが、オンラインギャンブル禁止等の影響で、多くの中国人が出国しているとしています。オンラインギャンブル規制に加えて、中国政府と協力しての特殊詐欺グループの摘発も厳しさを増しています。また、中国人をターゲットとしていると見られる、外国人の就業規制もこの動きに拍車をかけていると言われます。更に、中国では、極端な元安進行を抑制するために、海外不動産投資向け等の資本流出を規制し始めている模様です。

 これらの動きにより、中国化が進むシアヌークビルでは、不動産が売るに売れなくなり始めているとも言われ、不動産価格・賃貸価格も下落傾向にある模様です。また、これまで中国人社会で金回りの良かったオンラインギャンブル関係者が、摘発を恐れて出国しているとも言われ、地域経済に与ええる影響も出てきているとのことです。正確な統計は得られていませんが、8月18日以降、中国人の出国者数は、入国者数を1万人程度上回っていると報道されています。

 中国人投資家に支えられてきたシアヌークビルの不動産開発については、もともとバブル的な要素も強く、中央銀行や国際機関では懸念する声も聞かれていました。また、違法なビジネスや犯罪行為の横行による治安の悪化も懸念されていました。カンボジア政府が、オンラインギャンブルの規制、特殊詐欺グループ等外国人犯罪者の摘発強化、外国人の違法就労の規制強化、建築許可・規制の厳格適用等を着実に進めることが期待されます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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