アジアの"いま"

鈴木 博
2022/03/09 09:03
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カンボジア首相長男が来日 岸田首相等と面談

 フン・セン首相の長男であるフン・マネット王国軍副司令官兼陸軍司令官が訪日し、岸田首相、林外務大臣、岸防衛大臣等と面談しました。今年は、国連の平和維持活動(PKO)の一環として日本がカンボジアに自衛隊を派遣して30年となるため、同司令官を招待したものです。フン・マネット司令官(44歳)は、米国の陸軍士官学校(ウエストポイント)を卒業しており、秀才であると言われます。昨年12月には、フン・セン首相が、フン・マネット司令官を将来の首相候補として支持すると発言したことを受けて、与党の人民等も同司令官を将来の首相候補に選出しています。

 2月16日、フン・マネット司令官は、岸田総理を表敬訪問しました。岸田総理大臣は、両国の防衛協力関係をより一層進展させたいと述べ、更に、来年の日カンボジア外交関係樹立70周年を二国間関係の更なる発展の機会とすべく二国間で協力していきたい、カンボジアのASEAN議長国就任を歓迎し、日本としてもできる限り協力をしていきたいと述べました。フン・マネット陸軍司令官からは、日本との協力関係をさらに強化していきたい、「自由で開かれたインド太平洋」に関する日本の考えを支持するとの発言がありました。

 2月14日には、林外務大臣を表敬訪問しました。林大臣は、両国関係は強固であり、安全保障分野をはじめとする両国の協力を一層強化したいと述べました。また、本年6月の地方選挙及び来年の総選挙が民主的で国民の多様な声を反映した形で実施されるよう、日本も出来る限りの支援をしたいと述べました。フン・マネット陸軍司令官からは、カンボジアの和平、復興、経済発展における日本の貢献に対して謝意表明があり、日本との関係強化に尽力していきたいとの発言がありました。地域情勢についても意見交換を行い、林大臣は、ミャンマー情勢、南シナ海問題、拉致問題を含む北朝鮮への対応について引き続きカンボジアと連携していきたいと述べました。

 2月15日には、岸防衛大臣と会談しました。岸大臣は、両国の防衛協力や交流をいっそう進展させ、地域の平和と安定のために協力していきたいと述べました。また、東シナ海や南シナ海での中国の力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対するメッセージを連携して発信する必要性を伝えました。これに対し、フン・マネット氏は、カンボジアの和平や復興、新型コロナ対策などでの日本の支援に感謝の意を表しました。また、防衛分野での協力や交流をさらに進めていくことを確認しました。

防衛省の発表

https://www.mod.go.jp/j/approach/exchange/area/2022/20220216_khm-j.html

外務省の発表

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_001060.html

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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