アジアの"いま"

鈴木 博
2019/12/25 16:54
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 12月9日、プノンペン経済特区社(PPSEZ)がタイ国境に近いポイペトに建設してきた経済特区が完成しました。経済特区の総開発面積は約70ヘクタールで、住友商事が販売代理店を務めます。

 この経済特区進出第1号として、同日に、住友商事系で電子機器受託製造サービス(EMS)を手掛けるスミトロニクスが、新工場の開所式を開催しました。投資額は約12億円で、敷地面積は1万平方メートル、建屋の面積は4,800平方メートルです。ポイペトの新工場では、主に産業機器向けのハーネスや白物家電向けの電子基板を製造する予定です。従業員数は現在約120人で、来年末には2倍に増やす計画とのことです。
 スミトロニクスはタイで、合弁会社アルパイン・テクノロジー・マニュファクチャリング(タイランド)と、2つの協力工場でEMS事業を展開し、主にタイで事業を展開しているメーカー向けに製品を納入してきました。ポイペトは若くて豊富な労働力を有し、タイより賃金が約5割安くすむことから、価格競争力の向上も期待できることや将来的な需要拡大への備えとして、ポイペトに分業拠点を開設したとしています。

 カンボジアは、労務費が上昇した周辺諸国から労働集約的な工程を切り出し、労賃の安い国に移すフラグメンテーションの好例となることが期待されます。特に、タイの東部臨海地域に多数進出している日系企業に「タイプラスワン」の候補地として検討されていくことが期待されます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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