アジアの"いま"

鈴木 博
2017/04/26 06:42
  • Check

 シンガポール系の油田探査・採掘会社クリスエナジーは、カンボジア・シアヌークビルの沖合の海上石油鉱区ブロックAの生産分与契約について、カンボジア政府と合意し、近く契約に調印する見通しとなったとしています。クリスエナジー社のケルビン・タン最高執行責任者が、3月29日に「ブロックAの生産分与契約の条件についてカンボジア政府と合意した」と述べました。
 海上油田ブロックAの権益比率は、現在はクリスエナジーが95%、カンボジア政府が5%を保有しています。当初は、米国の石油大手シェブロンが中心となっていましたが、税金問題などでカンボジア政府と折り合いがつかず、2014年に保有していた権益(30%)をクリスエナジーに売却していました。また、当初メンバーの三井石油開発(MOECO)と韓国系GSエナジーも昨年、クリスエナジーにそれぞれ28.5%、14.25%の権益を売却しました。
 ブロックA油田の面積は約4700平方キロメートルで、石油と天然ガスの推定埋蔵量はそれぞれ7億バレル、3兆~5兆立方フィートとされています。カンボジア初の油田として、早ければ2019年中盤に生産を開始したいとしており、日量1万バレル程度の石油生産が可能とみられています。
 カンボジア経済にとっても、現在、ガソリン等の石油製品を全量輸入に頼っている構造から脱却する大きなチャンスであることに加え、政府の歳入にも大きな効果があるものとみられ、ブロックAでの商業生産の実現が待たれます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA