アジアの"いま"

鈴木 博
2018/05/03 09:01
  • Check

 4月に1週間ほど、カンボジア南部の港湾都市シアヌークビルに滞在する機会がありました。
 1年ぶりにシアヌークビルに行って驚いたのは、本当に「中国化」が進んでいることでした。特に、インディペンデンスビーチ周辺には、高層マンション、カジノ等が数多く建設中で、全く印象が変わりました。また、セレンティビティビーチ周辺では、せっかく整備した海岸沿いのレストラン等が完全に破壊されて更地にされ、今後中国企業による開発が行われるとして、中国人労働者が住む飯場が建設されていました。街中にも、中国語の看板があふれ、スーパーやレストランも中国語だらけになっていました。
 この状況で、中国人とカンボジア人の摩擦も強まっている模様です。カンボジア政府は、シアヌークビル州からの要請を受ける形で、国や州レベルの当局者間で問題解決に当たる作業部会を今年1月下旬に設置しました。しかし、中国人の投資等によって、不動産価格や賃貸料の上昇は激しいものがあり、賃貸契約の更新を断られて、廃業せざるを得ない企業も出てきているようです。また、カジノなどを通じたマネーロンダリングや人身売買等の違法ビジネスへの懸念も広がっています。
 中国による不動産開発も、投機的なものも多いと見られ、供給が実需を相当に上回ることになるものと見られます。日本のバブル期のリゾートマンション建設ブームを彷彿させるものがあり、今後の動向も懸念されます。
 なお、シアヌークビル市内から18キロほど離れたところに建設されたシアヌークビル経済特区は、中国企業の入居が順調に進み。入居企業数は100社を超えています。中国の投資が、カンボジアにもきちんと裨益するような形で行われることが肝要と見られます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA