アジアの"いま"

鈴木 博
2018/12/19 11:05
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 国際労働機関(ILO)は、カンボジアでBetter Factories Cambodia(BFC)プログラムを実施しています。このプログラムでは、多数の縫製工場を査察して労働条件等をチェックし、違反企業名を公表しています。
ILOは、「BFC年次報告書2018:産業とコンプライアンス・レビュー」を発表しました。調査対象は464工場で、調査期間は2017年5月から2018年6月です。ILOでは、全般的には、労働法等に関するコンプライアンスは改善しているとしています。重要項目全てを遵守している工場は、前回は33%でしたが、今回は44%に上昇しています。また、重要な21項目すべてを遵守できていない工場数は329工場から234工場に減少しています。ILOでは、その理由を、遵守できていない工場が多数閉鎖されたためと分析しており、その背景に、経営状態の悪い工場がコンプライアンスを遵守することが難しいという事情があるとしています。児童労働についても問題のある工場数は、2014年度の74工場から今回は10工場に減少したとしています。なお、引き続き重要な課題として、職場の安全と健康を挙げています。
 カンボジアにとって、縫製業を中心とする労働集約型輸出志向型産業は、最も重要な産業であり、そこで働く労働者の安全や健康は政府にとっても重要な課題となっています。ILO等の指摘を真摯に受け止めて、官民で協力して改善を続けていくことが期待されます。

ILOの新聞発表(英文です)
https://betterwork.org/blog/portfolio/better-factories-cambodia-annual-report-2018-an-industry-and-compliance-review/

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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