アジアの"いま"

鈴木 博
2018/05/23 16:50
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 新聞報道によりますと、カンボジアの大手マイクロファイナンス機関であるHattha Kaksekar Limited (HKL)は、年内にもカンボジア初のリエル建て社債を発行する方向で検討中であるとのことです。検討に当っては、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)が協力しており、発行の際には、2000万ドル(約21億8000万円)相当を買い入れるとしています。
 カンボジア証券取引委員会やカンボジア証券取引所では、株式市場に加えて債券市場の育成も図っており、社債の発行を促進してきましたが、初のリエル建て社債の発行が視野に入ってきました。リエル建て債券の発行は、中央銀行(NBC)が進めるリエルの利用促進にも貢献するものと見られます。高度にドル化したカンボジア経済において、現地通貨建ての債券が発行されることの意義は大きいものがあります。更にこれまで、資金調達手法が限られていたカンボジア企業・金融機関にとって、新たな資金調達手法が利用可能になることでも、大きな効果があるものと期待されます。また、域内の現地通貨建て債券市場を発展させるためにASEANと日本が推し進めてきたアジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)の方向性にも沿ったものであるということができます。
 なお、発行時期、発行金額、発行条件(金利・期間等)は、明らかとなっていませんが、国際金融公社は6月15日に理事会で本件を検討するとしています。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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