アジアの"いま"

鈴木 博
2017/08/30 09:40
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 ラオス軍がカンボジア国境を侵犯しましたが、カンボジアのフン・セン首相がラオス・ビエンチャンでラオスのトーンルン・シースリット首相と会談し、無条件の撤兵を確約させました。
 ラオスとカンボジアの国境については、国境の延長約540キロメートルのうち86%が確定していますが、残る部分については、両国の合意が確立していません。今回のラオス軍による国境侵犯は、未確定地域でのカンボジア側による道路建設を阻止するため4月から始まり、5月にはフン・セン首相がラオスに対し、完全撤兵を求めていました。8月に至ってなお撤兵が実現しなかったため、カンボジアは軍を動員して、ラオス軍がいる国境付近への展開を始めるとともに、8月12日にフン・セン首相がラオスを訪問してトーンルン・シースリット首相と直談判し、無条件撤兵で合意したものです。
 カンボジアは、タイ、ラオス、ベトナムと陸上で国境を接していますが、いずれの国とも国境紛争を抱えています。今回は、「圧力」と「対話」で、カンボジアの主張を見事に通したものであり、フン・セン首相も、ハードネゴシエーターとして面目躍如であったものと見られます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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