アジアの"いま"

鈴木 博
2013/11/27 17:06
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11月16日、安倍総理大臣はカンボジアを訪問しました。まず、1993年に国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の文民警察官として活動中、武装集団に殺害された高田晴行警視の慰霊碑とUNTACの選挙監視要員として活動中に殺害された中田厚仁さんの慰霊碑を訪れ献花を行いました。

 

また、およそ1時間、フン・セン首相と会談しました。この中で安倍総理大臣は、日本の安全保障政策について、「『積極的平和主義』の立場から、地域や世界の平和と安定に貢献していく決意だ。安全保障政策を見直すことになるが、平和国家の理念は決して変わらない」と述べ、理解を求めました。これに対しフン・セン首相は、「世界の中で日本の役割は大きくなっており、日本の貢献は世界の安定に資することになる。全面的に支持したい」と述べました。また、カンボジアの経済発展に向け、ODA等を通じて、日本が引き続きインフラ整備や教育支援などを行うことや、日本企業の進出を後押しするため、官民合同で投資環境の整備を進めること、それに日本の先進的な医療技術や制度を生かし、カンボジアの医療の向上に協力していくことを確認しました。また、日本側のビザの緩和や二国間直行便についても話題になりました。両首脳はこうした内容を盛り込んだ共同声明を発表しました。

 

親日国のカンボジアに日本の首相が訪れ関係を強化するのは、大変重要で貴重なことです。両国間の友好関係がますます深まることが期待されます。

 

外務省のサイト「安倍総理大臣のカンボジア及びラオス公式訪問(概要と評価)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page3_000540.html

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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