アジアの"いま"

鈴木 博
2021/10/13 18:16
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 9月22日~23日に、カンボジア公共事業運輸省のチャンコサル次官は、日本の円借款による支援で工事が行われていた国道5号線(バッタンバン-シソポン間)の完工検査を現地で実施しました。日本が支援している国道5号線改修事業の対象は、プノンペン近郊のプレッククダムから主要都市のコンポンチュナン、プルサット、バッタンバン、シソポンを経由してタイ国境のポイペトまでの区間で、これまでの2車線・簡易舗装の道路を4車線化・アスファルトコンクリート化し、主要都市についてはバイパスを建設する計画です。日本政府はこれまでに7件、総額876億1000万円の円借款を供与してこの国道5号線の改修を支援しています。条件は、金利0.01%/年、償還期間40年(10年の据え置き期間を含む)という大変譲許的なものです。

 国道5号線の改修工事は、北、中央、南の3区間に分かれて実施されており、今回完工したのは、北区間(バッタンバン-シソポン間:47.0km)で、市街を迂回するバイパス建設(バッタンバン:23.1km、シソポン:13.4km)も含まれています。3区間全線の完工は2023年の予定です。日本の支援のキーワードは「質の高いインフラ」であり、完成してもすぐに穴だらけになる中国や韓国の支援とは一線を画すものです。

 国道5号線は、プノンペンとタイ国境を直結する重要なルートであり、プノンペン周辺に進出している日系企業にとっても、サプライチェーンの一環としてタイとの連結性を確保するために必要不可欠となっています。国道5号線改修とタイとの国境に新設されるストゥンボット国境施設建設は、カンボジアにとっても日系企業にとっても非常に大きな効果がある事業であり、その完成が期待されます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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