アジアの"いま"

鈴木 博
2018/04/18 13:17
  • Check

 4月8日、フン・セン首相も臨席し、カンボジアを訪問した河野太郎外務大臣とプラック・ソコン上級大臣兼外務国際協力大臣との間で円借款の交換公文が調印されました。対象となる事業は「プノンペン首都圏送配電網拡張整備計画(フェーズ2)(第二期)です。金額は92億1600万円、金利0.01%/年、期間40年(うち据置期間10年)という大変譲許的な条件です。
 プノンペン首都圏送配電網拡張整備事業では、電力需要が集中する首都プノンペンにおいて、変電所の新増設、送配電線の整備及び系統安定化装置等を導入するための資金を融資します。2015年3月に第一期として円借款を供与(供与限度額38億1600万円)しており、今回はそれに続く第二期の融資となります。この事業により、送変電・配電設備の容量不足が解消され、日本の約100倍以上となっている一戸あたりの停電回数と停電時間が格段に減少し、人口170万人を抱えるプノンペンの電力供給の安定化が図られます。送電ロスについても約10%削減し、気候変動緩和に資することが期待されます。また、カンボジアでは、プノンペン近郊の経済特別区を中心に日系製造業の進出が増加しており、入居する日本企業にも裨益することが期待されるとしています。
 米国やEUは、最近のカンボジアの政治状況に関連して援助を絞る方向ですが、カンボジア政府はその穴埋めを中国に頼っています。他方、アジア開発銀行等の国際機関、日本、フランス、インド、韓国等は、支援を継続しつつ、カンボジア政府との対話を深める方向と見られます。
 なお、同日に、税関監視艇の贈与及び当該税関監視艇の改修・機材整備等に係る資金供与(供与限度額5億円)の交換公文も締結されました。

外務省の新聞発表
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_005897.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_005898.html

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA