アジアの"いま"

福田 淳
2012/02/22 17:36
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  • タイは東南アジアでも有数の製造業の拠点であるが、多くは海外からの投資に支えられているものである。2008年以降、タイにもリーマンショックによる全世界経済の落ち込みの影響があったものの2011年は2010年のタイ投資委員会(BOI)の投資申請件数全体を上回っており、投資が再び盛り上がりを見せつつある。
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  • 2月20日タイ国家経済社会開発委員会(NESDB)の発表では、洪水の影響が大きく2011年の実質国内総生産(GDP)成長率は前年比0.1%とほぼゼロ成長であったが、今年に入り2012年の実経済も順調で復興需要が見込まれる事からGDP伸び予測は5.5~6.5%を見込んでいる。昨年末と比較しても2月現在の株価も安定的に推移している。
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  • 外国からの投資推移

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  • 世界の成長センターとして、アジア市場は注目を集めており、グローバル企業はその中でも東南アジアへの進出を進めている。これはタイだけには限らない。例えば、アジアの拠点として、グローバル企業が金融や調達などの機能を集約してきたシンガポールは、世界第4位の金融センターにまで成長してきている。タイもこのような大きな流れの中で投資対象となっていると言えるのである。
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  • アジア地域内は将来的な政策も魅力的に感じるのは、2015年から始まる東南アジア諸国連合(ASEAN)共同体である。これにより人口6億人の巨大な市場が生まれる一方で、関税の撤廃などに期待が寄せられヒト・モノ・カネの流通がスタートをする。
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  • このようにタイへの投資も、東南アジア市場の成長を見込んで、生産拠点としてだけではなく、市場の成熟にともなって増えると予測される多様なニーズを取り込むことを目的とした投資も定着していくだろう。円高は日本経済に負の影響も与えているが、海外投資という点では有利であることを考えると、2012年もタイへの進出企業は増えていくであろう。
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  • 今後、日本企業はアジアと共存する為に、どのような関わり方を持っていくかが将来の成功のカギと思われる。
  • 福田 淳
    コンサルタント

    株式会社アークビジネスサーチ 取締役


    タイのタマサート大学東アジア研究所などを経て、1997年1月バンコクに日系企業のタイ進出及びビジネス開拓をサポートするARK ENTERPRISE CO.,LTD.をタイ公認会計士らと設立。2008年1月東京に東南アジアの投資相談窓口となる株式会社アークビジネスサーチを設立。現職。東京都出身。

    株式会社アークビジネスサーチ http://www.ark.asia/
    タイ現地法人ARK ENTERPRISE CO.,LTD http://www.ark.co.th/


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