カンボジア経済には4つのエンジンがあると言われます。縫製品輸出、観光、建設、農業です。2011年は、世界経済の暗雲にも関わらず、メイン・エンジンの輸出と観光が絶好調でした。
≪2011年カンボジアの輸出は大幅増加≫
2011年のカンボジアの輸出は、49億8000万ドル(約3880億円)に達しました。これは、2010年の34億9000万ドル(約2720億円)から42.7%増の大幅増加となりました。
稼ぎ頭は、縫製品であり、2011年は42億5000万ドル(約3320億円)と、2010年の34億ドルから25%増でした。原産地規則の緩和によりヨーロッパ向けの輸出が増えるとともに、日本等のアジア向けの輸出も増え、輸出先の多様化が進んでいます。EU向けは、42%増の13億ドル(約1010億円)、アメリカ向けは11%増の18億4000万ドル(約1440億円)、日本、中国等を含むその他向けは、52%増の9億8000万ドル(約760億円)でした。日本向けは100%以上の増加とされています。
この他では、農産物の輸出が、2010年の1億9700万ドルから114%増の4億2200万ドル(約330億円)に達しています。
今年については、ヨーロッパの経済停滞、アメリカや新興国の経済のスローダウンの懸念もあり、次第にカンボジアの輸出への影響も出てくるものと見られています。
≪2011年カンボジアへの観光客は285万人に増加≫
カンボジア観光省によりますと、2011年の観光客数は、2010年の約250万人から14%増加して285万人となりました。ベトナムが第1位で28%増の60万人、2位は韓国で14%増の33万人、3位は中国で35%増の24万人でした。
アンコールワット訪問客数も、2010年の130万人から、2011年は23%増の160万人に増加したとのことです。
トン・コン観光大臣によれば、2011年に観光セクターでは、直接・間接含めて40万人を雇用し、18億ドル(約1400億円)を稼ぎ出したとしています。また、2012年の観光客数は300万人を突破し、310万人程度になると予測しています。