中国の胡錦濤国家主席は、3月30日から4月2日まで4日間にわたりカンボジアを公式訪問した。4月3日からASEANがプノンペンで首脳会議を開くのを前に、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のカンボジアに圧力をかけることで、南沙諸島問題等に有利な取り扱いを得ることを目的としたものと見られます。カンボジアは「親中国」と見られており、中国と領土問題を抱えるベトナムやフィリピン等の「反中派」を更に刺激する恐れもあります。
中国は2007年以降、今年を見据えて、習金平副主席等の幹部を次々とカンボジアに送り込み、多額の援助を供与してカンボジアの取り込みを図ってきていました。今回の胡錦濤主席のカンボジア訪問は、反中派を露骨に逆撫ですることとなるため、小国のカンボジアにとっては各国の板挟みとなって今後も引き続き苦労させられることが予想されます。