アジアの"いま"

鈴木 博
2012/06/27 19:12
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 カンボジア国家統計庁から発表された2012年5月の物価上昇率(対前年同月比)は、2.2%の上昇となりました。物価上昇率は、最近は5%前後で安定的でしたが、5月は大幅に低下しました(2011年7月の上昇率は7.1%、8月6.4%、9月6.7%、10月5.2%、11月5.7%、12月4.9%、2012年1月5.8%、2月5.4%、3月5.4%、4月4.8%)。4月と比べてもマイナス1.1%と大幅な下落となりました。

 5月の物価上昇率が落ち着いた理由としては、国際マーケットでの石油価格の下落があります。ニューヨーク市場ではWTIがピーク時には110ドル台まで上昇した後下落を続け、最近は80ドルを切って70ドル台まで下落しています。プノンペンのガソリン価格も5000リエルを切って4900リエルとなっています。また、主要輸入先国の一つである隣国のベトナムの物価下落(6月の物価上昇率は5月に比べて0.23%の下落)もカンボジアの物価に良い影響を与えています。

 品目別(対前年同期比)でみても、食料品は2.2%、ガソリンは4.8%の上昇となっており、物価の落ち着きが鮮明となっています。

 

国際通貨基金(IMF)は2012年の物価上昇率を4.3%と予測しています。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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