アジアの"いま"

鈴木 博
2012/08/16 09:36
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南シナ海問題をめぐって中国寄りの立場を取るASEAN議長国カンボジアと、対中強硬派のフィリピンやベトナムとの対立により、7月の東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議では史上初めて共同声明を見送りました。この経緯についてフィリピン外務省はカンボジアを非難してきましたが、フィリピン駐在のホー・セレイトン・カンボジア大使は、マニラでこれに厳しく反論していました。フィリピン外務省はこれを問題視し、大使を外務省に呼んでいましたが、これまで大使は応じてきませんでした。これ以上の問題となることを防ぐため、カンボジアのホー・ナムホン外相は8月6日、大使を更迭することを決めたとしています。

 

小国のカンボジアは、中国と、アメリカ、ベトナム、フィリピン等の反中国派との板挟みとなっており、綱渡りの外交を続けています。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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