日本のアジア経済研究所では、政策やビジネスへの政策提言・政策判断の基礎的材料となる付加価値の高い分析に基づく研究成果をコンパクトにまとめたものとしてアジ研ポリシー・ブリーフを発行しています。9月20日に「CLMV諸国の新産業開発 課題と展望」が発表されました。
CLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)の主要産業は農林水産品・加工品と縫製、製靴といった労働集約型製造業から構成されています。2011年には、日本のカンボジアからの輸入総額の97%が履物と衣類で占められました。主要輸出産業としての労働集約的産業は、現在、低所得国との競争に直面しています。このため、一部の輸出産業への過度な依存を脱して持続的な経済成長を達成するために、CLMVでは既存産業の競争力強化の一方で、新産業の育成が急がれています。
アジ研では、様々な課題の克服が必要なものの、以下の産業分野の成長が期待されるとしています。
(1)軽工業(縫製、製靴、手工芸品等の高付加価値化)
(2)国産原料を使った食品加工、ゴム、その他加工業
(3)資源賦存に応じた鉱物、天然資源ベースの産業
(4)グローバル生産ネットワークへの参画(製造業)
(5)再生エネルギー、バイオマス用作物の栽培
(6)都市開発、インフラ開発および建設材料
(7)観光業(エコツーリズムを含む)
(8)現代的な都市生活と不可分なサービス産業
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