アジアの"いま"

鈴木 博
2013/01/23 19:19
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タイとカンボジアは12月27日、1つのビザで両国を訪れことができる共通旅行ビザ「ACMECSシングルビザ」の発給を開始すると発表しました。発給対象は日本、米国、英国、フランス、韓国、中国など35カ国・地域で、滞在できる日数はタイ60日、カンボジア30日となります。どちらかの国の大使館、領事館で申請し、ビザ発給時にその国の分の手数料を支払い、相手国に入国する際に、その国に別途料金を支払うとのことです。

 

タイ外務省は12月27日から申請が可能としていましたが、ビザを発給する両国の大使館、領事館は事前に相手国の承認を受ける必要があるとしており、実施状況は不明です。残念ながら、1月15日現在で両国の駐日大使館のウェブサイトにはこのビザについての説明が掲載されておりません。

 

しかし、2か国共通ビザの取り組みは、2005年のACMECS(イラワジ・チャオプラヤ・メコン経済協力会議)で合意された後、今般ようやく実現にこぎつけたもので、将来はミャンマー、ラオス、ベトナムを含める大きな構想です。欧州連合(EU)の共通ビザに類するASEAN共通ビザへの第一歩とも言える重要な一歩となることが期待されます。

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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