アジアの"いま"

鈴木 博
2021/04/21 12:44
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 4月6日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)2021年4月版を発表しました。世界経済については、「世界の見通しは今も非常に不確実な状態が続いています。コロナ禍に伴う混乱や政策支援の規模が多様であったことを反映して、各国間や業種間で経済回復に差が生じ、その差が拡大しつつあります。今回の成長率予測は、一部の経済大国における追加の財政支援や、年後半にワクチン接種効果による景気回復が期待されること、移動量の低迷への適応が続くことを反映したものです。パンデミックの今後の展開や、ワクチンが牽引する経済活動の正常化が進むまでのつなぎとなる政策支援の有効性、金融環境の動向に関連して、予測を取り巻く不確実性は大きなものとなっています。」としています。世界全体の成長率については、2021年6.0%(2020年10月予測5.2%)、2022年4.4%と見ています。

 世界経済の回復に差が出始めている中で、カンボジア経済は回復傾向にあるものと見られます。成長率予測は、2020年はマイナス3.5%(同マイナス2.8%)まで低下したと見ています。しかし、2021年4.2%(同6.8%)、2022年6.0%に回復すると見ています。2023年以降2026年までの成長率は、6.3%~6.8%と高度成長に復帰すると予測しています。物価上昇率は、低位安定を予測しており、2020年2.9%(同2.5%)、2021年3.1%(同2.9%)、2022年2.8%と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2020年は予想外に健闘し12.5%(同25.4%)に留まりました。2021年は18.0%に悪化する見込みですが、2022年以降は改善し、2026年には6.3%にまで縮小する見込みです。

 なお、IMFでは、「現在の公衆衛生危機が収束したら、回復を下支えするためにも潜在GDPを引き上げるためにも、政策的取り組みでは、強靭で、包摂的で、環境に配慮した経済の構築に注力するのがよいだろう。優先事項とすべきは、グリーンインフラに投資して気候変動を緩和すること、デジタルインフラに投資して生産能力を上げること、社会扶助や社会保険を強化して格差拡大を阻止することなどだ。」と指摘しています。

国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し2020年10月版(和文新聞発表)

https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2021/03/23/world-economic-outlook-april-2021

鈴木 博
コンサルタント

カンボジア総合研究所
CEO/チーフエコノミスト


東京大学経済学部卒。海外経済協力基金、国際協力銀行等で途上国向け円借款業務を約30年。2007年からカンボジア経済財政省上席顧問エコノミスト。2010年カンボジア総合研究所設立。日本企業とカンボジアの開発のWin-Win関係を目指して、経済調査、情報提供を行っている。

ブログ「カンボジア経済」 http://blog.goo.ne.jp/cambodiasoken


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