前回お伝えした「日本留学&日系企業就職フェア」であるが、去る3月10日(土)11日(日)にバンコクのシリキット・コンベンションセンターで無事に開催することができた。日本からの教育機関36校と在タイ日系企業52社が出展、2日間の合計来場者数5,124人と大盛況となったので、前回の「続編」としてお伝えしたい。
10年前から数えて今回が20回目、初めて在タイ日本国大使館、バンコク日本人商工会議所、日本学生支援機構、国際交流基金バンコク日本文化センターとの共催という、まさに日本が国を挙げて開催する形が実現できた。今後の日タイ関係を担う若者を増やしていくために非常に意味のあるイベントであり、それが5000人を超える人を集めたことは共催者としても1人の日本人としても喜ばしい出来事であった。
就職フェアゾーン
これまでは弊社単独での開催を続けて来たわけだが、同じ会場に20校程度が出展し、出展者からのブース料で運営するため、ブースが少なければ当然集まる出展料には限度があり、限られた予算の中で非常に高額な会場費を払い、残った予算で広報活動をしなければならなかった。
それに対して今回は、錚々たる機関と共催することができたため、出展ブースの数も多く、広報活動に充てる予算も十分だった。BTS車内広告や新聞広告をはじめ、さまざまなルートで広報活動を行った結果が、この来場者数につながったというわけだ。
「日本への留学生が減少している」「人材不足だ」と嘆いて日々を過ごしているが、オーストラリアやイギリスなどがそうしているように、一般の人たちにも目に付くほどの広報活動を日々行っていけば、日本留学するタイ人だってまだまだ増加するはずである!、と再認識させられた。
日系企業の人材不足は、今後もさらに深刻化すると予想されている。日本語を話すタイ人を増やすだけではなく、日本に関心を持ち、日本的な考え方や働くことに対する意識を共有できる人物を生み出して行くには、日本へ留学するタイ人を増やすことが最も有効な手段と言える。
そして、日本に理解を持つタイ人が増えることで、最終的には企業が多数抱えている日本人がタイ人に取って代わることにつながる。子どもの乳歯が永久歯に生え変わるように、企業にとっての乳歯である駐在員から、永久歯であるタイ人に生え変わることが、在外の日系企業の自然な姿だ。
そのためには、今回のフェアで明らかになったように、日本が国を挙げて、しっかり予算を投じて、日本や日本留学の広報活動を行うことが必要不可欠なのである。