最近、我が社の人材紹介事業の一環として、タイ人の求職者を対象とした「日系企業で使えるビジネスマナー研修」を実施している。おじぎの仕方から面接での振る舞い、”報・連・相”や電話の取り方、メールの書き方など研修内容は多岐に渡る。
日本の就職活動においては、書店に並ぶ面接攻略本に象徴されるように、そうあるべきとされる振る舞い、考え方、発言、一挙一動に至るまで画一的な価値観が存在する。在日外国人もこれぞ日本の文化と、リクルートスーツに身をまとい、髪を黒くして郷に従おうとする。在タイ日系企業に就職を希望するタイ人求職者も、その作法を身に付けたいとセミナーにやってくる。確かに日本式ビジネスマナーは、日系企業で働く限りは知っておいたほうが良いと思う。
一方、今の時代、日本国内にある企業でさえ、語学力はもとより国際的な感覚や能力が求められており、グローバル採用枠は年々増加し、海外での人材発掘も活発になっている。このように、日本国内の企業が急速に多国籍化している中で、上述した「日本の会社で働くための」ビジネスマナーというのは、正直時代遅れな感じもしている。「日本的な価値観」は、本当に必要なのだろうか。求職者に講座を開きつつ、そんな疑問を抱いている。
<img class="alignleft size-medium http://aussiesonlinecasino.com/ wp-image-2265″ best online casino online casino online casino alt=”lhi_20130730-2″ src=”http://thai-plusone.asia/wp/wp/wp-content/uploads/lhi_20130730-2-300×225.jpg” width=”300″ height=”225″ />日本人ビジネスマンが海外で働く場合、2通りのタイプがある。ひとつは現地スタッフのやり方を尊重しつつ、日本での価値観を控えめにするタイプ。新米は現地人との同化を美徳とする傾向があるが、ベテランになると、その中でも日本人としてのアイデンティティを主張するバランス感覚を身に付けていく。もうひとつは、美化された日本を常に判断基準とし、日本のやり方という名のエゴを終始貫こうとするタイプ。彼らの口癖は「こんなの日本じゃありえない!」。タイではどうやら、まだまだ後者が一般的な様である。
タイ人が在タイ日系企業に就職する際、このような人たちと働くことを想定しておかなければならない。日本の価値観に固執する日本人上司と、どのようにうまくやっていくか?これが当社のビジネスマナー研修の、テーマである。なぜ挨拶が大事なのか、なぜ”報・連・相”が必要なのか。それを学ぶことは、彼らにとって、入社してから打ちのめされないための予習なのである。
日本国内の本社が急速的に国際化しつつある一方、海外拠点は、むしろ日本スタイルを崩さない。この傾向はおそらく、日本人とタイ人だけしかいない環境にも原因があると思う。マレーシアやシンガポールなど、他の国の人も混在する状態であれば、どこの国のものさしで計るわけではない価値観が自然と生まれるのではないか。
2年後のアセアン統合により周辺国から人材が流れ込み、在タイ企業も急速に多国籍化していくであろう。それは、「日本的ビジネスマナー」など何の役にも立たない未来だ。この流れが本格化するのはまだまだ先かもしれない。それまでは、日本語を学び、日系企業への就職を希望するタイ人求職者たちがうまく世渡りできるよう、研修を続けていきたい。
【お知らせ】
「第3回日本留学&日系企業就職フェア」を開催します。
日時:2013年8月24日(土)25日(日)10:00-18:00
場所:クイーン・シリキット・コンベンションセンター
在タイ日系企業約50社、日本の教育機関約30校が出展。日本をキーワードに将来を考えるイ人の若者が多数来場します。日本人でも楽しめる内容もありますので、是非ご来場ください。