アジアの"いま"

辻本 浩一郎
2012/03/20 00:08
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日経新聞のコラムに“沈んだタイ経済立て直すには”の見出しを見つけた。

 

昨年末のGDPは対前年比10.7%の大幅な落ち込み、通年では成長率は0.1%云々の記述で、日本は投資環境の改善に何が必要かを伝え、政治安定への努力を改めて促す必要があると結んでいる。

 

毎度述べていることだが、タイは相続税が無く、旧財閥系の人々は基本的にタイの高度成長を望んではいない。

 

また今回の水害は人災であるが、これにより治水事業への1兆円近い歳出が認められ、反財閥系の現政権関係者も内心は喜んでいる。

 

日本政府の対応の悪さから、当地区への企業進出は更に加速状況にあり、工業団地は売る物が無く、人材の雇用も逼迫して来ている。

 

タイから見ると、低成長大いに結構、これでバブルの危険が、些かなりとも遠のいたし、一方では、公共事業が大手を振ってやれる状態になった。

 

旧財閥系、新興勢力、双方とも結構なことずくめであると感じている。投資環境の改善等必要があるのか、政治安定への努力、大きなお世話だとの声がタイ人より返ってきそうな気がする。

 

他国にお節介を焼く前に、自国でやるべき事をやっているのかと、タイ人から反論を呼びそうなお粗末な分析であり、マスコミの関係者には、タイの現状が理解されていない事を感じさせられた。

辻本 浩一郎
コンサルタント

M&A Advisory Co., Ltd.
Executive Manager


バンコク在住14年、タイにおける日系企業のビジネスを、進出支援全般を含め、特に法務、労務、会計・税務の面でコンサルティング、サポートしている。

M&A Group : http://www.m-agroup.com/


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