先月11日、タイ時間午後3時39分ごろ、インドネシアのスマトラ島北部西方沖を震源とするマグニチュード8.7の地震が発生した。
2004年12月のスマトラ沖巨大地震と大津波の被害が人びとの脳裏をよぎる中、タイ政府は津波が発生する可能性があるとして、即座に南部のプーケット県、パンガー県、クラビ県などアンダマン海に面する6県に津波警報と避難指示を発令、沿岸住民は即座に高台に避難した。
バンコクの高層ビルでも大きな揺れを感じたため、屋外に避難する人で溢れ返った。幸いなことに小さい津波の報告だけであり、04年の時のような大被害はなかった。04年の教訓による即座の警報発令と、沿岸住民の地震を感じたらずすぐに高台へ避難するという意識が確認された。政府、軍、住民の対応は迅速であったと言えよう。
今回の地震は、04年の巨大地震に誘発された地震とも言われている。日本とスマトラは地下の構造が良く似ていると言われ、巨大地震後は年単位で大きな余震を警戒しなければならず、タイ政府にも巨大地震及び大津波に対するさらなる対策の強化が求められている。