アジアの"いま"

辻本 浩一郎
2012/06/19 02:08
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さて一方、主役の代理人として目下奮闘中の実妹インラック首相であるが、国内物価が上昇しているとの見方があることについて、「洪水と猛暑による気のせいであり、モノの値段は下落傾向にあると確信している」と語ったことについて猛反発を喰らっている。

 

主要紙も「政府・首相、もしくは国民、どちらの眼が曇っているのか?」「国民の脳が暑さで焼けてしまったというのか?」「わずか1年前にビジネス界から転身した首相の物価下落を強弁する姿をみて、ようやく一人前の政治家になったと感じる」などと、皮肉を込めた記事を掲載している。日本も同様だが、政府の支離滅裂な人気取り政策は、中長期的には国民の不信感を醸成しかねない。

 

世論はどうか? タイ東北部経済研究所が同地域20県の住民にインラック政権の6分野の業績を聞いた世論調査「イサーン・ポール」の結果を発表した。タイ東北部は、与党タイ貢献党が強固な地盤を持つ地域である。

 

各分野の施策への評価は下記の通りであり、さすが地盤だけに総合的には「合格」を叩き出しているが、目下話題の経済・物価対策では6割が「落第」と評価した。

 

・総合的業績=合格81.3%、落第18.7%
・政治・民主主義=合格74.2%、落第25.8%
・経済・物価=合格41%、落第59%
・社会・犯罪・麻薬=合格62.4%、落第37.6%
・環境・公害・自然災害=合格68.8%、落第16.3%
・外交=合格83.7%、落第16.3%

 

今の所、PR戦略が好調な外交について高得点を叩き出しているのは納得である。また、政府に早急に解決を求める問題は、物価高騰、賃金、借金、麻薬などの順となった。

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辻本 浩一郎
コンサルタント

M&A Advisory Co., Ltd.
Executive Manager


バンコク在住14年、タイにおける日系企業のビジネスを、進出支援全般を含め、特に法務、労務、会計・税務の面でコンサルティング、サポートしている。

M&A Group : http://www.m-agroup.com/


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