アジアの"いま"

辻本 浩一郎
2012/07/11 06:21
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5月末から6月初めのことであるが、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー議員が、東アジア経済フォーラムへの参加のためタイを訪問した。堂々たる貫禄にタイの関係者一同は圧倒された感を受ける。そのフォーラムでは、“今日自分がここに来たのは、皆さんからミャンマーに何をして欲しいかを聞きに来たのではなく、ミャンマーは皆さんに何をして欲しいかを伝えに来た。ミャンマーの最大の懸案事項は、多くの若者の学歴不足と就職難である。これを解決する為に、教育プログラムの作成と導入をお願いしたい。収賄に加担する様な企業進出は望んでいない”と述べた。

 

スー・チー氏は、南部のミャンマー労働者が多数来ている地域も訪問し、人々を激励、彼等が如何に望郷の念に駆られながら、外貨獲得のために必死に働いているのかを目の当たりにし、彼等が早く祖国に戻れる様に努力するとも語った。

 

次々にタイの要人との会談が報じられたが、風刺マンガでは、スー・チー氏ばかりがスポットライトに照らされて大きく取り上げられる現状に、インラック首相が『どうして??彼女は私より年長だし、アイシャドーも付けていないの??』と皮肉交じりに掲載された。

 

スー・チー氏の半生を描いた伝記映画“THE LADY”は、ここタイでも話題となり、多くのタイ人知識層がDVDで彼女の過去を勉強した。日 本にも政治生命を賭ける政治家が居るが、20年以上にわたり、真に生命を賭けて戦って来た人物との差を痛切に感じさせられた彼女の訪タイであった。

辻本 浩一郎
コンサルタント

M&A Advisory Co., Ltd.
Executive Manager


バンコク在住14年、タイにおける日系企業のビジネスを、進出支援全般を含め、特に法務、労務、会計・税務の面でコンサルティング、サポートしている。

M&A Group : http://www.m-agroup.com/


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