軍事政権下の2007年、当時のタクシン元首相派政党に選挙違反があったとして旧タイ貢献党が解党され、当時の役員111人が5年間の参政権停止処分を受けた。それが6月31日で解除されたことにより、彼等の去就に注目が集まっている。内60人は早速タイ貢献党に入党したが、インラック首相の動きは、予想に反し緩慢で、今の所、大物が要職に起用される動きは無い。
注目のタクシン氏であるが先月15日から1週間程度の予定で訪日した。追放後2度目、昨年8月以来の訪日である。今回は、アセアン統合を取り纏め、自分が主役の座に座る事をアピールしに行くのかと思っていたが、あまり突っ込んだ議論は無く、日タイ間の自由貿易協定があまり進捗していない事を言及するに留めたようである。
タクシン氏はミャンマー、タイ、カンボジア、ベトナムを結ぶ幹線道路のプロジェクトに日本の技術、金を投入する事を今後は画策するのではないかと感じている。最高のセールスマンの肩書き通り、絶えず金の成る木を探し歩く彼の罠に日本は加担せぬ事を念じている。