アジアの"いま"

辻本 浩一郎
2012/12/18 02:10
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11月21日~22日、来春に引退が決まっている中国の温家宝首相が、在任中最初で最後のタイ訪問を行い、国王にも拝謁の栄を得た。インラック首相とも会談し、米国に負けじと、タイからの米輸入拡大を約束し、最後の餌まきを行って帰国の途についた。

 

過去において、中国と対峙する為には強力なリーダーが必要であり、その役目を日本の首相に担って貰う事を切望しているとのコメントをASEAN首脳の面々から良く聞いたが、今回のASEAN会議では野田首相の影は残念ながら全く薄かった。衆議院解散を明言した直後となったので仕方のない事であるのかも知れぬが、本当に寂しいものであった。

 

一方、再選を果たしたオバマ大統領は、その任は自分が引き受けたとの感を前面に打ち出し、慌しい訪問ではあったが、ミャンマーでも盛大な暖かい歓迎を受け、ASEAN会場では、中国を横目に大いなる貫禄を示して帰路に着いた。

 

この様な現況で、とにかく最低の状況を脱出する為には、残念な気もするが日本もTPPを受け入れ米国に縋る以外、抜け道は無い様に感じさせるASEAN会議であった。

辻本 浩一郎
コンサルタント

M&A Advisory Co., Ltd.
Executive Manager


バンコク在住14年、タイにおける日系企業のビジネスを、進出支援全般を含め、特に法務、労務、会計・税務の面でコンサルティング、サポートしている。

M&A Group : http://www.m-agroup.com/


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