尖閣諸島や竹島など、日本では領土問題が日々大きく取り上げられているが、思い出すのは、フォークランド紛争時に取ったサッチャー首相の断固たる決断の姿である。賛否はともかく、彼女のような政治家が、日本には存在しない事を残念に感じている。
しかし一方で、この問題は今の日本に取って良い教材になっているような気もする。自力で解決する能力も手段も持たぬ日本は、海外から見ていると、やはり米国頼りなのかと感じてしまう。しかしこの問題に対しては、米国が本腰を入れて日本を擁護してくれる力も気もないように感じるのであるが、如何なのであろうか。
今、日本と歩調を合わせてこの問題に対して戦ってくれる国は、アセアンにこそ存在すると従来より思っているのだが、日本の目は全くその方向には向いていない…。アセアン諸国はなぜ連合しようとするのであろうか。それは中国に呑み込まれない為であると思う。
アセアン諸国の要人は口を揃えて、「中国と喧嘩はしたくないが、その支配下には入りたくない」と言う。この点で、日本は彼等とかなり共有出来る部分があると思う。いじめに遭っているのに、親友は無く、先生たちは傍観するのみ…、金持ちの坊やの悲哀を見ている様な気がしてならない。
今、日本にとって必要なのは、共に戦ってくれる親友ではなかろうか。その国はどこであるのか、日本政府はよく考えて欲しいと願っている。