嵐の前の静けさと言うべきか、不気味な静寂を保っていたタイであるが、9月末、日本の二大政党の総裁選に加え、尖閣諸島の国有化に端を発する中国での大規模な反日デモのニュースなども賑やかに報道された。
従来から、この様な中国の体質を熟知しているASEAN諸国は、ASEAN共同体として力を合わせ、中国とは喧嘩をせずに、侵略は防ごうという意識で統一している。一方の、日本政府の頼みの綱は米国だけと思っているような気がする。しかしその米国は「平和的解決を望む」というコメントだけで、積極的に介入はせぬと見ている。今こそ日本には一国でも多くの支援国が必要と感じている。今回の例では、フィリピンとベトナムが強力な支援国となり得るのではないかと思う。
これは自論であるが、同じアジア地域で、対中国防衛網を築きたいASEAN諸国、中でも特にフィリピン、ベトナムに対して、日本はもっと協調して戦うメッセージを発信しないのか、苛立ちと、不思議な感情で日本外交を見ている。総裁選でも、どの候補もASEANの事に言及せぬ事を寂しく思う。