アジアの"いま"

辻本 浩一郎
2013/02/26 02:00
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先月17日、オバマ大統領に負けじと安倍首相が来タイされたが、タイ国内でも今回は長期政権となると見ているのか、野田首相の時とは違い、マスコミは大きく取り上げた。父、安倍晋太郎氏も度々訪タイし、植樹等を行い、教育に大きな貢献を果たした事も大きく報道された。

 

インラック首相に伴われ、国王とのご面談も果たされた。安倍首相からは高速鉄道の売込みを図りたい様な提案がなされ、インラック首相からはミャンマーで取り組むDAWEI深海港プロジェクトに、日本の支援を要請した様である。

 

タイではお馴染みの風刺マンガでは、安倍首相が、日-タイ両国が広範囲に亘る分野で協調関係を築きたいと表明した事を受け、インラック首相が、タイ政府が高値で買い上げている10万トンの古米を買ってくれませんか?、と持ちかけ、安倍首相が返答に窮しているものが掲載された。

 

農民票獲得のため米の高値買取策を導入した事により、山と積み上がった在庫を何とか引き取って欲しといった点は、まさにタイ側の本音であると思う。
バンコク都知事選の投票が3月3日に迫っている。一時は総勢25名もの立候補者が名乗りを上げたが、バンコクで圧倒的な強さを誇って来た民主党推薦のスクンパン氏と、現与党タイ貢献党が推すポンサパット氏の2人による事実上の一騎打ちとなっている。

 

当初の予測では、民主党推薦スクンパン氏がリードしていると言われていたが、タイ貢献党は国会議員、地方議員、有力政治家を総動員した結果か、じりじりと追いあげ、最新の調査ではポンサパット氏が優勢とされている。インラック首相も度々応援に駆けつけ、何とかバンコクの知事を与党として取り戻そうと懸命に奔走しており、終盤に掛け激戦の様相を呈して来ている。

 

もしタイ貢献党がこの都知事選に勝てば、今まで支持を得られていなかったバンコクの中間層からの支持を取り戻したという証であり、インラック政権の安定化につながる可能性が高い。そうなるとまた気になってくるのが兄タクシン氏の動向である…。

 

今年、人々が一番懸念している事項は、憲法改正で、35%もの人々がこの点を指摘した。人々の心の中にはやはりタクシン問題が一番大きく存在している事が良く判った。失業率略ゼロのありがたい状況を、ぜひ、騒動で揺るがさないで欲しいという一年になりそうである。

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辻本 浩一郎
コンサルタント

M&A Advisory Co., Ltd.
Executive Manager


バンコク在住14年、タイにおける日系企業のビジネスを、進出支援全般を含め、特に法務、労務、会計・税務の面でコンサルティング、サポートしている。

M&A Group : http://www.m-agroup.com/


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