タイ投資促進委員会(BOI)は「新投資奨励戦略」を2015年1月に導入するとしたスケジュールを承認した。当初は今年半ばからと言われていたので、実質1年半の先送りである。
新制度では投資奨励の対象を下記10グループに絞り込む方針である。
(1) 基礎インフラ・物流
(2) 基礎産業
(3) 医療用具・科学機器
(4) 再生可能エネルギー・環境
(5) 工業部門を支援するサービス業
(6) 基礎技術開発
(7) 食品・農産品加工
(8) 保健・医療サービス
(9) 自動車関係
(10)電気・電子
また、遠隔地の工場立地に手厚い恩典を付与してきた「ゾーン制」を廃止し、関連業種を集積した「産業クラスター」を推進していく。投資恩典も、「ベーシック・インセンティブ」と、国にとって利益となる投資計画の促進に向け追加的に付与する「メリットベースド・インセンティブ」の2本柱となる。付加価値の低い産業や、環境負荷の大きい産業は恩典と対象外となる。
2015年のアセアン共同体に向け、ようやく高度技術・付加価値をもった企業及び事業の積極誘致、奨励付与に具体的に舵を切り始めた。タイ中小企業の海外投資促進の政策も具現化する中、”タイへ進出”から、”タイが進出”へとも時代は変わりつつある。