アジアの"いま"

辻本 浩一郎
2013/11/13 06:14
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恩赦法案をめぐる対立が益々激しさを増している。恩赦法案は、8月招集の国会で第1読会を通過したが、これまで対象外としてきたタクシン元首相や赤・黄組幹部なども対象となるよう法案が修正されたことに対し、野党民主党や反タクシン派グループは強く反発しており、大規模な抗議集会がついに各地でキックオフした。

 

修正法案は第2読会における審議に進むが、殺人罪等で検察当局に起訴されることになったアピシット民主党党首は、“万が一、国会で法案が成立すれば社会対立や分裂を引き起こし、市民間の闘争を引き起こす”と強い警告を発した。自身も恩赦の対象になるにも関わらずである。それ程、タクシン元首相の恩赦に危機感を抱いているのである。

 

同修正法案について、張本人のタクシン元首相は“将来世代のため、すべてをゼロにリセットする必要がある。私自身のためではなく、タイを前進させるために必要なのである。対立してきた私たちはじきに死ぬが、子どもたちはここで生きていかなくてはならない。アセアン経済共同体が間もなく発足し、競争が激しくなる。今のうちに国内対立を終わらせなければならない”と述べ、その必要性を訴えた。

 

恩赦法案は今後のタイの行く末を左右する重要な国家的事項であり、益々当法案を巡るドタバタ劇を含め、目が離せない状況となっている。

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辻本 浩一郎
コンサルタント

M&A Advisory Co., Ltd.
Executive Manager


バンコク在住14年、タイにおける日系企業のビジネスを、進出支援全般を含め、特に法務、労務、会計・税務の面でコンサルティング、サポートしている。

M&A Group : http://www.m-agroup.com/


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