アジアの"いま"

辻本 浩一郎
2012/01/11 10:12
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インラック首相は“2011年の悪夢や災害はさようなら、2012年は笑顔の年にしよう”との第一声を発した。昨年の洪水被害への対応には不手際の目立ったタイ政府だが、新年早々主要閣僚を中心に、副大臣を含め16人が入れ替わる大幅な内閣改造を断行した。インラック首相は早々と、この改造に実兄であるタクシン氏の意向は反映されておらず、あくまで自分の意思で行った事を強調したが、洪水被害の対応で首相が不満を抱いたとされる閣僚の交代や、タクシン氏の側近が多数入閣していることから、巷ではタクシン氏の意向反映と赤組への配慮が囁かれている。

甚大な被害をもたらした洪水による保険金の請求総額は、日本円で約6,100億円~8,500億円になると言われており、今年から保険の引き受け手が無くなる恐れがあるとも言われている。これでは、タイへの投資に二の足を踏む企業が増える事を勘案し、タイ財務省は1兆2,000億円の基金を提供する方針を決定した。期間は3年間を想定し、この期間で海外からの信頼を取り戻せると考えている。大変結構なタイミングでの良い発表であると感じている。

辻本 浩一郎
コンサルタント

M&A Advisory Co., Ltd.
Executive Manager


バンコク在住14年、タイにおける日系企業のビジネスを、進出支援全般を含め、特に法務、労務、会計・税務の面でコンサルティング、サポートしている。

M&A Group : http://www.m-agroup.com/


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