世界一の米の輸出国として知られるタイだが、現在では東洋のデトロイトを目指し、エコカー事業の投資奨励要件をタイ投資委員会(BOI)が定めるなど、先進工業国の仲間入りをすべく邁進している。そこで、タイの製造業に死角はないのか?それを検証したい。
スワンナプーム バンコク国際空港
タラップからタイの地に降り立つとムッとした暑苦しい空気がたちまち包み込み南国に降り立った実感を味あわせてくれるバンコク・スワンナプーム空港。年間100万人以上の観光客が日本から押し寄せる観光立国であり、世界一の米の輸出生産国である農業国(※2012年はベトナムに米の輸出で抜かれる模様)、そして、今まさに東洋のデトロイトを目指す工業国でもある。
はじめに
日本の景気は相変わらず、上がる気配を見せず、超低空飛行が続いている。それどころか、高齢化・少子化、年金問題・世代間格差、国債の増加・デフォルト危機と、問題が山積みである。日本は、全業種の約3割が製造業を占めており、その製造業社の中には海外進出している有名な企業が数多くある。例えば、トヨタ自動車はタイではトヨタ・モーター・タイランドとして、現行の65万台の新車生産を誇っている。今後は、76万台の生産体制に飛躍的に拡大している。
タイでは、自動車関連の業種や、電気・電子部品関係の会社の進出が多く、日系の中小・中堅企業も数多く進出している。既に進出済みの日系企業は、8000社に上っている(日系企業全業種合計)。そこで、次回からは製造業を中心にタイの現状やタイ進出のメリットなどを皆さんにお伝えしたい。