タイの圧倒的な比較優位さは、その安定性にあり。しかし、それも大きく崩れる事態に、、、
前回は、タイのレイバーコスト(人件費)に関して、4月1日に大幅な最低賃金の引き上げがあるとお伝えしたが、早くもその影響が各地に出ている。
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先ずは、
1.物価の上昇
あり得ないスピードでどんどん物価が上昇していく。例えば、個人経営の飲食店などは、ランチの価格で130~150B程度(約300円)の飲食店で、10~20Bの値上げが行われている。
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タクシーも初乗り35B(約100円)であったが、値上げを検討している。(これは多分に原油価格の高騰もあり得るが、タイのタクシーは変動幅が低い天然ガス車が多い為、物価の影響と
いえるだろう)
屋台と言った庶民の食堂でも、その動きは広がっている。
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2.オフィスワーカー、エンジニアの賃金上昇
最低賃金が上がれば、当然、全ての従業員の給与が上がるかといえば、そうなのだろうが、(玉突き的に上がるだろうが)、例えば、日本語ができる人材や、エンジニアなど、タイにはそもそもそう言った人材が不足する傾向があるが、そう言った人材の賃金は更に上がっている。つまり需要過多状態だ。
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3.来年も全国で上がる最低賃金(なんで!?)
今回、バンコク近郊6県とプーケット県が、最低賃金が1日300Bとなったが、それ以外の県では、来年の、つまり2013年の4月1日に全て300Bになる予定である。(今年はバンコク近郊の県などで300Bを達成したが、それ以外の県では、来年に更に30%上がり、一日300Bを達成すると、思って欲しい。つまり、2年連続で30%の賃金上昇とも言える)
そうなると、近県以外の工業団地では、来年も玉突き的に賃金を上げざる得なくなり、今迄田舎からバンコク近郊に出稼ぎに来ていた人たちも、同じ給料ならば田舎でやろう、と言う意識が働くが(物価も田舎のほうが安くて生活的には楽)、そう言った人たちに振り向かせる為にもバンコク近郊でも更に魅力的な条件を提示する必要になる。
開発されるても直ぐに入居企業が決まってしまう建設中の貸し工場
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来年も(まだ300Bに達していない地域の)全国一斉に300Bと言うのは、今後のタイ進出にあたって、大きなポイントになるので是非記憶に留めておいて欲しい。
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因みに、従来のタイの政策では、最低賃金を引き上げ運動は毎年の様に起こっていたが、毎年の上げ幅は1~3Bの賃上げであった。つまり、物価の上昇などを考えると、それ以下の水準での法的な規制であった。
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まあ、これだけの大きな変化であると、多くの軽工業などがそれに耐えられずに、ミャンマー、カンボジア、ラオスと言ったら更なる途上国に移転が行われる事になるだろうが、又、潰れる企業も出るだろう。
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余談になるが、ラオスなどで繊維産業を行うインタビュー記事を読んだ事があるが、それらの国では月20ドル程度の給与ですみ人件費は安いが、生産物の品質がかなり悪いものしか出来ず、非効率で、そもそも教育レベルが低過ぎる為、指導をしても理解できなかったり、理解できてもすぐ辞めてしまったりと、極めて酷い状況であるとの事である。
それに比べると、タイはかなりまともに生産を出来る国であるといえる。~閑話休題~
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今迄、安定性を大きな魅力としてタイへの進出を考える企業が多かったが、その認識は改めないとならない。前回、タイの国自体はバランスを取るのが非常に上手いとお伝えしたが、もし、この政策が転けそうになると、直ぐに政策を方向転換するのもタイならではなので、タイ自体が潰れることはないが、重々注意して欲しいと思う。(因みに、タイの消費税は現在7%であるが、本来ならば10%である所を人気取り政策の為に時限的に3%下げている。ただ、既にこういった時限立法も10年も続いている)
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次回は、タイの労働者を使う上での注意事項や、タイで生産活動を行う際の覚えておきたい特徴、タイで製造業を成功させるにはどうすれば良いかと言ったノウハウを順次話して行きたいと思う。 casino online Yli 299 kasinopelia , live-kasino, mobiili-kasino ja nettipokeri riittavat kovankin pelurin tarpeisiin.