さて、いま私はドバイ国際空港におります。空港でブログを書いてます(笑)これからエミレーツ航空成田行きの便に乗って、東京には夜到着予定。さて、すでに40回以上もこのドバイというところに来ていますが、来るたびに新しいものがあり、景色が変わり、とにかく生き物のような都市。それがドバイで、本当に来るたびに驚かされます。
今回、政府系ファンドをはじめ、色々なところに足を運んで、色々なお話をうかがってきましたが、この国の目指す方向には非常に感銘を受けます。ドバイの首長(リーダー)である「シェイク・モハメッド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム」は2000年代初頭に、2015年までの戦略的経済・社会政策計画「ドバイ・ストラテジック・プラン2015」を掲げ、強力なリーダーシップでこのこの10年間国づくりを遂行させてきました。今もなお進行中です。
このプランの中で、金融・貿易・メディア・IT・メディカルなどの非石油産業を拡大していくことを計画に盛り込んできました。ドバイショックという危機に直面しながらも、現在ドバイではそのプランの多くが現実のものとなり、人・企業の流入は勢いを増しています。またこういったドバイの経済成長モデルを手本にして、周辺各国も「脱オイルマネー」を目標に掲げた同様の動きをはじめているほか、再生エネ・教育改革などの分野で、スピード感ある政策を次から次へと打ち立てているわけです。
サウジアラビア、アブダビ、クウェート、カタール、イラク、アゼルバイジャン、バーレーンなどなど、これらの国々は、石油はいずれピークアウトすることに非常に強い危機感を抱いています。すべての産油国の理想モデルが、ここドバイに存在するというわけです。
さて、20世紀第一弾のグランドデザインである「ドバイ・ストラテジック・プラン2015」は、そのステージを次なる大きな器に移し、ドバイ政府は2020年までに95万人の雇用創出を伴う都市開発の総合計画を明らかにしているわけですが、日本政府に十二分に見習って欲しいと思うことばかり。
「ドバイ都市開発総合計画2020」。この計画は、環境および経済面での持続可能性(サスティナビリティ)に焦点をあてたもので、都市建築、商業、工業などのあらゆるインフラの再構築が盛り込まれており、住居や住宅設備に対する国民のニーズにも焦点を合わせていくとのことです。持続可能性(サスティナビリティ)とは、人口爆発&ライフスタイルの変化する世界で、「”いま足りないもの”をどうやって持続継続させていくか?」という考え方で、特に、「水・食糧・資源・教育・環境」などの分野で、それらの抱える問題を、解決していく取り組みをいいます。
ドバイはそういった、いま世界的に注目が集まる、環境負荷の低減にも取り組む方針で、都市開発だけでなく自然、文化遺産、天然資源の保護も目指すバランスのとれた成長戦略が、次なるドバイのステージに突入したといえます。